サイト作成ツールのWordPressでは、WooCommerce(ウーコマース)や、Welcart(ウェルカート)といったプラグインを導入するだけで、ECサイト(ネットショップ)を構築することができます。
国産WordPressテーマのブランド「WordPress theme TCD」(通称:TCDテーマ)では、日本語対応のECサイト用テンプレートを複数提供しています。
この記事では、WooCommerceとWelcartに対応のECサイト用WordPressテーマTCDを徹底比較しながら解説します。
ECサイト用WordPressテーマTCDとは?
WordPressテーマTCDは、ユーザー数12万人以上を誇る、WordPressテーマです。企業・エステ・Osteopathic Clinic・飲食店などのホームページ、メディア・ブログ、ランディングページなど、様々な種類のテーマが提供されています。
その中でECサイト用のTCDテーマは、WordPressを用いてECサイトを構築するためのテーマの一つです。洗練されたデザイン性の高さだけでなく、SEO対策など集客の機能もサポートしています。
また、TCDテーマはカスタマイズ性が高く、デザインやレイアウトを調整し、自分のブランドに合わせることができます。
特徴や機能
ECサイト用WordPressテーマTCDには、以下のような特徴があります。
- ユーザー数12万人以上:TCDは国内WordPressテーマでシェアが高く、多くのユーザーが利用
- ECサイト向け独自機能:TCDテーマの共通機能に加えて、テーマごとの独自機能あり
- 日本語対応:管理画面が日本語に対応しているため、日本人に使いやすい設計
- デザイン性の高さ:洗練されたデザインと、自分でも設定できるデザイン機能を提供
- 販売商品別のテーマ:日本の食や伝統工芸品、デジタルコンテンツなど商品別のテーマあり
WordPressテーマTCDでは、デザイン性の高さだけでなく、TCDテーマオプションという独自機能が提供されています。
色やフォントの変更、SNSボタンの設定、ロゴやトップページの設定、タイトルや本文の文字サイズの設定など、様々な設定をすることができます。
また、TCDクイックタグという、記事内のレイアウトを変更したり、本文を装飾するための機能もあります。
当サイトもTCDテーマを使っていますが、共通機能としては、以下のようなものがあります。
- アンダーライン1
- アンダーライン2
- アンダーライン3
このような機能の他にもいくつかの共通機能があり、その他にもテーマ別の独自機能が提供されています。
TCDはサイト構築において信頼性が高く、多様なニーズに対応できるWordPressテーマとして人気があります。
ECサイトの構築方法
WordPressでECサイトを構築するには、EC用プラグイン(拡張機能)をインストールする必要があります。これは、TCDテーマに限らず、どんなWordPressテーマでも共通の構築方法です。
その代表的なプラグインが、WooCommerce(ウーコマース)とWelcart(ウェルカート)です。それぞれのプラグインの概要と比較表を、次の項目からご紹介します。
WooCommerceとWelcartの比較
item | WooCommerce | Welcart |
---|---|---|
初期費用・月額 | free | free |
決済方法 | PayPal、カード、銀行振込、 口座振替、キャリア、コンビニ、 電子マネー、後払い | カード、銀行振込、 口座振替、キャリア、コンビニ、 電子マネー、後払い |
販売手数料(※1) | 1.5%〜 | 2.9%〜 |
追加プラグイン料 | 0円〜∞(※2) | 0円〜44,000円 |
言語対応 | 日本語・英語を含む多言語 | 日本語 |
日本での販売機能 | ◯ | ◎ |
海外での販売機能 | ◎ | △ |
カスタマイズ性 | ◎ | ◯ |
サポート |
※1:決済会社や支払い方法により手数料は変動します。
※2:WooCommerceプラグインを検索すると、1,000件以上表示されます。未確認のプラグインもありますので予めご了承ください。
WelcartとWooCommerceは、どちらもWordPressにECサイト機能を追加できる無料のプラグインです。以下では、それぞれの特徴を比較します。
- 基本機能の比較:
両プラグインは、商品登録、決済、注文管理、顧客管理、配送設定など、ECサイト運営に必要な基本機能を備える - 決済機能の違い:
WooCommerceは、PayPalやStripeのアカウントを作成し、関連プラグインを導入するだけで利用可能(本人確認が必要)。Welcartは、指定の決済会社との契約が必要 - 販売手数料の比較:
WooCommerceの最低手数料は1.5%(PayPalの銀行振込利用時)、Welcartの最低手数料は2.9% - 多言語対応:
WooCommerceは、多言語対応の機能が標準で備わっており、世界中で販売可能。Welcartは、基本的に日本語のみ。WordPress自体が多言語対応可能なため、カスタマイズ次第で海外販売も可能 - 総合評価:
WooCommerceはグローバルな販売展開を視野に入れたECサイトに適している。Welcartは日本市場に特化したECサイトに適している
WooCommerce(ウーコマース)
WooCommerceは、世界シェアNo.1のECシステムです。それだけ利用されているということは、それ相応にメリットがあります。
merit
- ECシステム世界シェアNo.1の信頼性
- WooCommerce自体は無料から利用できる
- 専用のWordPressテーマが豊富で、好みのデザインにしやすい
- テーマやプラグインが豊富なため、カスタマイズしやすい
- ユーザーが多様な支払い方法で決済できる
- 世界中で利用されているため、使い方やサポート情報が豊富
Disadvantages
- 日本語に非対応の拡張プラグインもある
- テーマやプラグインが豊富なため、選択するのに悩みが生じる
- 英語での情報が多く、日本語での情報が少なめ
- 個別のサポートを受けにくい
このように、WooCommerceはカスタマイズ性が高く、好みのECサイトにしやすいです。
Welcart(ウェルカート)
Welcartは、国産のWordPress用EC構築プラグインです。日本人が使いやすく、日本市場向けのECシステムになっています。
merit
- 国産ECプラグインであり、安心感がある
- 日本市場向けで、日本語で利用できる
- Welcartは初期費用や月額費用が無料
- 日本のサービスとの連携プラグインあり
- 多彩な日本の決済方法に対応
- 個別のメール・サポートあり
Disadvantages
- 日本語以外の言語対応はカスタマイズが必要
- テーマや拡張プラグインが限定的
- 拡張プラグインの料金が若干高い
- 情報やコミュニティが限定的
- 国際的な決済機能が少ない
- メールサポートが有料
このように、総合力ではWooCommerceより劣るものの、日本国内での販売に便利な機能があります。また、日本語でのメール・サポートも受けることもできます。
ECサイト用WordPressテーマTCDの選び方
これらを踏まえて、ECサイト用のTCDテーマを選ぶ際には、以下の点を考慮するのがオススメです。
- 対応プラグイン:WooCommerceとWelcartのどちらか、または両方対応テーマもあり
- デザイン性:TCDでは、和風から幅広い商品に対応できるテーマまで提供
- 機能性:TCDでは共通機能だけでなく、それぞれのテーマごとの機能も提供
- Fee:テーマ別にデザインや機能が違い、その内容に応じて料金が違う
TCDテーマは主に有料ですが、好みのECサイトを構築しやすいのが特徴です。以上の要因を考慮して、あなたのニーズに最適なTCDテーマを選択してみてください。
他社の無料テーマは選ぶべきか?
当記事では、ECサイト用WordPressテーマTCDをご紹介していますが、他社の無料テーマを選ぶできでしょうか?
まず、WooCommerceについては、日本語対応の無料テーマが少ないのが現状です。また、Welcartについても公式を含め、日本語対応の無料テーマが少ない傾向があります。
無料テーマの傾向は、機能性の低さやサポートがない場合もあるため、ご自身のニーズに合ったECサイト用テーマを選ぶ必要があります。
ECサイト用WordPressテーマTCD7個 日本語対応
上記が、提供されているECサイト用WordPressテーマTCDです。WordPressテーマTCDでは、どのテーマでも共通機能が提供されています。
- コンテンツビルダー:トップページのレイアウト変更機能(ブログ用テーマは対象外)
- TCDテーマオプション:全体のカラー変更、フォント変更、SNSボタンの設定など
- TCDクイックタグ:リンクボタン、色付きのアンダーライン、Google Mapの設定など
ECサイト向けのTCDテーマには、上記の共通機能に加え、各テーマ独自の機能が搭載されています。詳細な機能については、公式サイトでテーマごとの仕様を確認してください。
なお、Web制作会社に依頼すると、ECサイト制作費は数十万円程度が相場です。一方で、TCDテーマで自作する場合、数万円程度でデザイン性の高いECサイトを構築可能となります。
TCDテーマを活用すれば、比較的低コストでプロフェッショナルなECサイトを構築することができます。
RIKYU(リキュウ)/ tcd104
source:RIKYU(tcd104)
WordPressテーマTCDの「RIKYU(利休)」は、ECサイト・プラグインのWooCommerceに対応しています。テーマの名称やデモサイトは和風ですが、洋風デザインにもできます。
merit
- 複数ジャンルのECサイトを運営する場合、このテーマ一つで対応できる
- シンプルでクリーンなデザイン
- 売上順やレビュー順など、複数のランキングページでPRできる
- 長文のページも作成可能なため、しっかりと商品をPRしやすい
- ECサイトの機能を使わず、ブログとしても使える
Disadvantages
- 個性的なデザインや、変わったデザインにしにくい
- 店舗ホームページ+ECサイトにできなくもないが、BASARAの方がより最適
RIKYUは多ジャンルに対応しており、WooCommerceプラグインで国内外でも販売が可能です。そのため、幅広いECサイトに対応できる万能型のWordPressテーマです。
BASARA(バサラ)/ tcd100
source:BASARA(tcd100)
WordPressテーマTCDの「BASARA(バサラ)」は、WooCommerceに対応しています。高級感のある和風デザインのため、日本の食や伝統工芸品などの販売に適しています。
merit
- 店舗のホームページとECサイトを同時に作成できる
- 高級感のある和風デザインのため、日本の食や伝統工芸品の販売に適している
- 縦書きテキストで和の世界観を演出できる
Disadvantages
- 和風なECサイト以外はデザインが適さない可能性がある
- 日本の食や伝統工芸品以外の商品に適さない可能性がある
BASARAはWooCommerce対応のため、海外向けに日本の商品を販売できるのも利点のひとつです。店舗のホームページだけや、ECサイトだけでなく、両方作成したい場合にお得な料金になっています。
common(コモン)/ tcd097
source:common(tcd097)
WordPressテーマTCDの「common(コモン)」は、WooCommerceに対応しています。TCDテーマの中で、唯一のデジタルコンテンツ販売を想定したWordPressテーマです。
merit
- デジタルコンテンツ(ダウンロード商品)を販売しやすい機能やデザイン
- 画像の透かし文字の設定などで、商品コピーの防止をしやすい
- 商品動画の表示でさらにPR可能
- カテゴリー別の売れ筋ランキングで売上につなげやすい
Disadvantages
- 物販にも使えなくないが、他のテーマの方が最適
- 他のECサイト用テーマと比べて少し料金が高い
commonは、今までに制作されたECサイト用TCDテーマをベースに、更に進化している印象です。
デザインや独自機能は、主にデジタルコンテンツ販売向けですが、物販用にも使うことができます。デモサイトなどを確認しながら、どのように活用するのか検討してみてください。
Ankle(アンクル)/ tcd092
source:Ankle(tcd092)
WordPressテーマTCDの「Ankle(アンクル)」は、WooCommerceに対応しています。シンプルなデザインと機能のため、初心者に最適なECサイト・テーマと言えます。
merit
- ネットショップ・サービスのBASEに似たシンプルレイアウトのため、お客様が直感的に操作しやすい
- 細かい設定が少ないため、初心者向けのECサイト・テーマ
- TCDテーマの中では料金が安いため、コストパフォーマンスが良い
Disadvantages
- シンプルなデザインのため、凝ったデザインはカスタマイズが必要
- 他のレイアウトや機能を追加したい場合は、他のTCDテーマのほうが最適
当記事でご紹介しているECサイト用TCDテーマの中では、最も料金が安いです。低価格でECサイトを作成したい方や、細かい設定が苦手な方にも良いかもしれません。
EGO.(エゴ)/ tcd079
source:EGO. (tcd079)
ECサイト用のWordPressテーマ「EGO.(エゴ)」には、WooCommerceとWelcartの2つののプラグインに対応しています。デモサイトにあるとおり、独自機能でファッション性の高いECサイトを作成できます。
merit
- トップページ画像のグラデーション機能
- トップページにInstagramの画像を埋め込める
- 各種設定で自在な導線設計と、ファッション性の高いページの作成が可能
- SNS連携でフォロワーを増やし、リピート率を上げやすい
Disadvantages
- WooCommerce版とWelcart版が別売りのため、選択に悩みやすい
- 細かい設定が苦手な人は、向いてない可能性がある
WooCommerce版とWelcart版の2つがありますので、どちらを購入しようか迷うかもしれません。
もし、お困りの方は、当記事にある「プラグインの選び方」の項目に戻って検討してみてください。独自機能で、ファッション性の高いECサイトを作りたい方におすすめです。
GLAMOUR(グラマー)/ tcd073
source:GLAMOUR (tcd073)
ECサイト用のWordPressテーマ「GLAMOUR(グラマー)」は、Welcartに対応しています。TCDテーマ「EGO.」とはまた違った独自機能で、デザイン性の高いECサイトの作成が可能です。
merit
- トップページの2分割ヘッダースライダーで、複数の商品をPRできる
- 縦長の画像表示で、縦長の商品PRをしやすい
- ブログ記事からCTAで商品の導線を作りやすい
Disadvantages
- シンプルなレイアウトにしたい場合、使わない機能がある
- 商品数が少ない場合、テーマのデザインや機能を効果が発揮しづらい
ECサイト用TCDテーマの中では、最も商品のPRをしやすいデザインや機能になっています。ECで効率的に売上を上げたい方は、GLAMOURをチェックしてみてください。
ICONIC(アイコニック)/ tcd062
source:ICONIC (tcd062)
WordPressテーマTCDの「ICONIC(アイコニック)」は、Welcartに対応しています。デモサイトでは、家具やインテリアの販売になっていますが、幅広い商品に対応できます。
merit
- クリーンなデザインのため、幅広い商品販売に対応できる
- EC+ブログがコンセプトのため、コンテンツマーケティングをしやすい
Disadvantages
- クリーンなデザイン以外のECサイトを作りづらい
- 集客には、コンテンツマーケティングの知識やスキルが必要
ICONICは、WordPressテーマTCD公式サイトの歴代ランキングTOP12にランクインしたことがありますECサイト用のTCDテーマの中でも売れ筋のテーマです。
summary
ECサイト用のWordPressテーマTCDは、幅広い商品に対応しており、WooCommerceやWelcartなど、人気のECプラグインにも対応しています。
それぞれのプラグインだけでなく、TCDの管理画面も日本語に対応しています。低コストでデザイン性の高いECサイトを構築できますので、一度チェックしてみてください。