Web標準を策定するW3C(World Wide Web Consortium)は、2025年7月22日、CSSのボーダー装飾に関する最新仕様「CSS Borders and Box Decorations Module Level 4」の初公開草案(First Public Working Draft)を発表した。
これは、従来のCSS Level 3を拡張し、より柔軟なデザイン表現を可能にする次世代仕様として注目されている。
本仕様では、角の形状を指定できるcorner-shape
や、多色装飾されたボーダーを実現するborder-limit
、影効果の詳細制御プロパティbox-shadow-
など、多彩な新機能が提案されている。これにより、ボーダーやシャドウの装飾がこれまで以上に細かく制御できるようになる見込みだ。
▼例:多色ボーダーのCSS
.foo {
border: 30px solid;
border-color: stripes(dodgerblue, skyblue) /* 上 */
stripes(yellow, gold) /* 右 */
stripes(lightgreen, limegreen) /* 下 */
stripes(indianred, orange); /* 左 */
}
▼適応された多色ボーダー

▼多色ボーダーに border-style: dotted:
を追加し、ドットに変更

しかし、現段階では複数の課題が未解決のまま残されている。たとえば、プロパティ名や構文の最終決定がされておらず、border-style
の適用先として任意形状への対応可否も明示されていない。
今回の草案はあくまで「作業途中の仕様」であり、開発者が正式に採用するには時期尚早とされる。W3Cは今後、フィードバックを受けて改訂を重ね、最終勧告に向けて仕様を磨いていく方針だ。